lucky さんの「 新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド 」の感想

87点 新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド

大成イナさん、めちゃくちゃ好き

いつも真剣だけど相手の気持ちを考えないで余計なことばっかいうにゃははとか、個人主義っぽい性格のわりに理解者欲しがってる感もあるゴールデンとか、思春期の不安定さをこれでもかとみせる主人公たち! でも不安定なだけじゃなくて、自分が何のために戦うのか自分で考え抜ける強い子たちなんだよ彼らは……。彼らが何に気づいて何を選ぶのか、興味深くて毎エピソード見逃せなかった。

後半では、思春期の不安定さ強さに加えてIT技術、とくにAIとひととの関わりなんかも主要なテーマとして浮上してくる。AIとひととの関わり方をどう描くかにはなかなか芯を食った部分があった。
まず本作に登場するAIキャラは“基本的には”自発的な動機を持たない主体として描かれていた。これはAIを人間とは違う存在として描くうえで重要なポイントであって、きちんと押さえられていてよかった。そのうえで、
①イドとモリトとの関係のなかで、自発的な動機を持たない主体に対しても人間が深い愛着を寄せることはあることを提示
②テンダーと鍋島さんとの関係のなかで、AIが『自発的に動機を持て』と命令されたときの技術的な不安を示唆
③ビーナとタイセイとの関係のなかで、人間は自発的に動機を持つことができる、それはAIからの促しに由る場合もあると希望を持たせる
……などなど、AIと人間との関わりを多面的に掘り下げて、未知なる関係がもたらす不安や希望をたくさん示していた。
思うに、思春期の少年少女が不安定ななかから大人たちになにかを教えてくれる瞬間があるように、AIなどの“モノ”もまた人間に何かを教えようとするのだろう。向き合っている瞬間は当人たちにその自覚がないとしても。

良キャラだっただけに、イドやテンダーのデザインがぱっとしなかったのはちょっと不満だった。彼らが旧式であることを表現するためにあえてぱっとしないデザインを選択したところもあったのだろうが……もうちょっとなんかなかったですかね?
あと全国各地で戦う良キャラの少年少女たち。彼らのオリジンエピソードが丁寧に描かれていたのはとてもよかったんだが、そのぶん横のつながりの描写が少ないのは残念だった。尺が足りない。6クールぐらいやれ!!

2025-02-09 01:18:22