supplod さんの「 無職転生 ~異世界行ったら本気だす~(第2期) 」の感想

78点 無職転生 ~異世界行ったら本気だす~(第2期)

とてもリッチにつくられた大河ファンタジーアニメ

よ〜〜やっっと1期2クールを観終わった!!
これで第2期に追いつける!!!

とても王道の大河ファンタジーで、それぞれのキャラクターの人生の厚みや世界の広がりを感じられる点は相変わらず流石だった。何度も涙しました。
現実世界から異世界に転生して、そこで出来た新たな家族や故郷を再び災害によって喪失し、流浪の民となってしまう。それでも新たな出会いや別れを積み重ねて生きていかなければならない。異世界というファンタジーの枠組みを一枚噛ませているぶん、「(2度目の)故郷喪失」というプロットの深みも増していると思い、感じ入る。
エリスが好きなので、この2クール目はその点でもとても楽しめた。

ただ、そういうよく出来た質の高いハイファンタジー大河ドラマが、結局のところ主人公ルーデウス(および中の”前世の男”)のための都合の良いなろう系であることもまた確実であり、他の要素に比したときのそこの俗っぽさにゲンナリしてしまうというか、不安は拭えない。(いやハナっからなろう系であることも彼が主人公であることも了解済だから、なぜ今さらそんなとこに引っかかる?とも思うけど、そっち方面の臭みが誤魔化せなくなってきているということか。)

具体的には、22話でエリス側から初体験を誘ってくるところとか、風俗嬢に説教する男のキモさをさらに煮詰めたようでゾワっとした。翌日に去られて絶望するのは好みなんだけど、うーん…… エリスがルディに別れを告げたワケを(もっと強くなって今度は自分が彼を守りたいから、以外に)まだ色々と整理し切れないところがあり、なんとも言えませんね。

あと、親子関係の描き方が気になった。岡本学監督は『U149』の監督でもあるのでつい比較してしまう。ルディが父パウロと再会して和解する回で、親でなく子供側から歩み寄って和解してやる、という光景を描いていて、なるほど!『U149』のありす回と一緒で、この監督はこういう歪な形の親子関係の精算を描きがちなんだな〜と勝手に納得した。ただ、『無職転生』で注意すべきは「子供」の中に中年男性が入っていることであり、だからルディがパウロに寄り添ってあげるのも許容できるのだけれど、ありすのなかにCV杉田智和の中年男性は入ってないのでダメです。

2023-10-09 19:03:11