まつ さんの「 月がきれい 」の感想 82点 月がきれい 派手さはないのだけど独特の味わい深さがつくづく“青春を懐古するおじさん”に刺さります 1話 接点の無かった二人の奇妙な巡り合わせ。友達同士でつるんでいるときのガキっぽさと、異性の前では背伸びしてしまったり上手く喋れなかったりする思春期男子特有のアレ。ああ、自分にも確かにそんな時期があったなぁと感傷に浸ってしまった。 2話 体育祭での失敗が事を良い方向へと運んでくれたような。「笑われて笑われてつよくなる」のは二人とも一緒。大雑把に怪我の手当てしてくれた陸上部員の子(名前知らず)は今後絡んで来そうな気配がするし、イケメン陸上部エースの存在も気になります。 茜ちゃんの「じゃああたし勝ったらジュース奢ってね」で耳が溶けた。いつかあんな親しみのこもった声音を安曇くんにも向けてあげて欲しい。 3話 LINEのやり取りを皮切りに距離が縮まっていく二人。相手からの返信一つ一つに舞い上がる気持ち、とても良く分かります。そしてタイトル回収。会話の接ぎ穂を失っても、彼らの表情や視線あるいは“間”に演出の妙があり、互いに意識し合ってるのが手に取るように伝わってくる。胸キュン。 「つき、あって」って告白の台詞、月の話題から咄嗟に滑り出ちゃった感が良いよね。 4話 すれ違いはつきもの。サブタイ(元ネタなんだ…?)通り「通り雨」を巧妙に絡めてる。安曇くんが功を焦ってしまった感は否めないけど、その行動力が茜ちゃんに火をつけていくんですよね。彼女から告白の返事、ついでに嫉妬心までもを引き出したのは大きな進展。 いやしかし、いじけた茜ちゃん可愛いんだよなほんと。回を追うごとに色んな側面を見せてくれるからますます夢中になる。告白の返事も「もっと…喋りたい…安曇くんと」っていじらしいわ!!! 5話 今は文明の利器の力で何でもお手軽に答えが手に入る時代なんですね。だからこそ、逆に頭でっかちになりがちで空回りしやすい。でも安曇くん、見た目に反して行動力あるのが素敵。一歩踏み出すのは決まって彼の方から。そして今回も……JCの太もも良いですねぇ!!! あと、夏目漱石の『こころ』は中学生が読み解くには早すぎると思いますね。私もそうだったので。 6話 同じとき違う場所でそれぞれ戦う二人ってシチュエーションが最高にエモい。恋と友情とで悩む茜ちゃんだけど姉の言うような絶交という択を取らず、友情を大切にしようとするところ、また、付き合っていることを正直に打ち明けるシーンがサブタイの「走れメロス」に重なります。 レミオロメンの3月9日は懐かしさで泣きそうになりました。 7話 こんな時間がずっと続けばいいのに―― 8話 どちらかと言えば受け身だった茜ちゃんの主体的な行動が印象的でした。稽古を見に行きたいって言い出したのもそうだし、誕プレを送ったのもそう。好きなシーンを挙げたら枚挙に暇がないくらい何から何まで好みの筋書きであかん。おじさんの息の根を止める気ですか!!!!! ここだけの話、誕生日プレゼントを買うために嘘ついてまで抜け出して売店を彷徨う茜ちゃんのシーンで泣きました。 9話 残された時間を大切に生きるっていう「風立ちぬ」の主題が、中学最後の夏の大会にしろ二人の恋人関係にしろ本話と絶妙にリンクしてるなぁ。順風満帆、進学先も同じ高校にしようと二人で語らっていた矢先の話だから尚の事つらい。どうかお慈悲を…!!! 古本屋の逢引シーン、5話と比較してみると距離感も近くなってるし会話も流暢だしで互いに成長というか恋人関係にこなれてきたのを凄く実感します。 10話 茜ちゃんの無防備さも安曇くんの大人気ない嫉妬もオイオイと思ったけど、そういう未熟さ、青臭さが本作の肝なんですよね。言葉にできないもどかしさがリアルでしんどかったけれど、そうした諸々を全部水に洗い流すような情熱的なキスシーンは胸のすく思いでした。 安曇くんに袖にされて失意に暮れる茜ちゃんの姿は痛々しくて見てられなかったです。肩を震わせながら嗚咽を漏らす姿とか、とぼとぼと家路につく寂しげな姿とか、あんなの胸がえぐられるわ…… なんつーかもう小原好美さんの演技力の高さですよ。嗚咽もそうなんだけど、キス前の涙混じりの声やばいって。 11話 親があれこれ口出してくるのが煙ったくて反抗的な態度を取ってしまったり、意地になって飯を食わなかったり、その手の心理に痛いほど共感出来ちゃうのが辛い。でも陰ながら応援してくれて最後に味方になってくれるのはやっぱ親なんですよね…。またもや挿入歌のチョイスが反則。 前半のデートパートは相変わらずニヤニヤ成分供給過多。彼女から手編みマフラー送られて喜ばない男の子なんていません! そして茜ちゃん、キスのおねだりが熟れてますね(複雑な心境) 正論をぶつけてくる姉に対して「別れないもん」“愛”を絶対のものだと信じて疑わない愚直さ、これが若さか… 12話 不格好ながらも、自分の足で、自分の声で、例え届かぬと分かっていても、その想いの丈を行動によって証明してみせた小太郎くんに痺れました。ありがとう。 べにっぽ人形はキーアイテムとして最後まで良い仕事してました。本作にはいつも傍らにあの人形の存在があって。彼らの心の裡があの人形に表象されてるんですよね。12話で窓辺にぽつんと置かれた人形との対比で、小太郎くんは人形をにぎにぎしていたり。映像作品ならではの妙だったな、と。 比良くんは別れ際まで「陸上続けろよ」だもんなぁ。もちろん彼なりのエールなのは分かってるんだけど、やっぱ茜ちゃんの上っ面しか見てないよね。ここが小太郎くんとの決定的な差だよ。茜ちゃんが10話で「大切だけど、違う」って言ったのも納得。 Tweet 2025-10-26 00:11:38
82点 月がきれい
派手さはないのだけど独特の味わい深さがつくづく“青春を懐古するおじさん”に刺さります
1話
Tweet接点の無かった二人の奇妙な巡り合わせ。友達同士でつるんでいるときのガキっぽさと、異性の前では背伸びしてしまったり上手く喋れなかったりする思春期男子特有のアレ。ああ、自分にも確かにそんな時期があったなぁと感傷に浸ってしまった。
2話
体育祭での失敗が事を良い方向へと運んでくれたような。「笑われて笑われてつよくなる」のは二人とも一緒。大雑把に怪我の手当てしてくれた陸上部員の子(名前知らず)は今後絡んで来そうな気配がするし、イケメン陸上部エースの存在も気になります。
茜ちゃんの「じゃああたし勝ったらジュース奢ってね」で耳が溶けた。いつかあんな親しみのこもった声音を安曇くんにも向けてあげて欲しい。
3話
LINEのやり取りを皮切りに距離が縮まっていく二人。相手からの返信一つ一つに舞い上がる気持ち、とても良く分かります。そしてタイトル回収。会話の接ぎ穂を失っても、彼らの表情や視線あるいは“間”に演出の妙があり、互いに意識し合ってるのが手に取るように伝わってくる。胸キュン。
「つき、あって」って告白の台詞、月の話題から咄嗟に滑り出ちゃった感が良いよね。
4話
すれ違いはつきもの。サブタイ(元ネタなんだ…?)通り「通り雨」を巧妙に絡めてる。安曇くんが功を焦ってしまった感は否めないけど、その行動力が茜ちゃんに火をつけていくんですよね。彼女から告白の返事、ついでに嫉妬心までもを引き出したのは大きな進展。
いやしかし、いじけた茜ちゃん可愛いんだよなほんと。回を追うごとに色んな側面を見せてくれるからますます夢中になる。告白の返事も「もっと…喋りたい…安曇くんと」っていじらしいわ!!!
5話
今は文明の利器の力で何でもお手軽に答えが手に入る時代なんですね。だからこそ、逆に頭でっかちになりがちで空回りしやすい。でも安曇くん、見た目に反して行動力あるのが素敵。一歩踏み出すのは決まって彼の方から。そして今回も……JCの太もも良いですねぇ!!!
あと、夏目漱石の『こころ』は中学生が読み解くには早すぎると思いますね。私もそうだったので。
6話
同じとき違う場所でそれぞれ戦う二人ってシチュエーションが最高にエモい。恋と友情とで悩む茜ちゃんだけど姉の言うような絶交という択を取らず、友情を大切にしようとするところ、また、付き合っていることを正直に打ち明けるシーンがサブタイの「走れメロス」に重なります。
レミオロメンの3月9日は懐かしさで泣きそうになりました。
7話
こんな時間がずっと続けばいいのに――
8話
どちらかと言えば受け身だった茜ちゃんの主体的な行動が印象的でした。稽古を見に行きたいって言い出したのもそうだし、誕プレを送ったのもそう。好きなシーンを挙げたら枚挙に暇がないくらい何から何まで好みの筋書きであかん。おじさんの息の根を止める気ですか!!!!!
ここだけの話、誕生日プレゼントを買うために嘘ついてまで抜け出して売店を彷徨う茜ちゃんのシーンで泣きました。
9話
残された時間を大切に生きるっていう「風立ちぬ」の主題が、中学最後の夏の大会にしろ二人の恋人関係にしろ本話と絶妙にリンクしてるなぁ。順風満帆、進学先も同じ高校にしようと二人で語らっていた矢先の話だから尚の事つらい。どうかお慈悲を…!!!
古本屋の逢引シーン、5話と比較してみると距離感も近くなってるし会話も流暢だしで互いに成長というか恋人関係にこなれてきたのを凄く実感します。
10話
茜ちゃんの無防備さも安曇くんの大人気ない嫉妬もオイオイと思ったけど、そういう未熟さ、青臭さが本作の肝なんですよね。言葉にできないもどかしさがリアルでしんどかったけれど、そうした諸々を全部水に洗い流すような情熱的なキスシーンは胸のすく思いでした。
安曇くんに袖にされて失意に暮れる茜ちゃんの姿は痛々しくて見てられなかったです。肩を震わせながら嗚咽を漏らす姿とか、とぼとぼと家路につく寂しげな姿とか、あんなの胸がえぐられるわ……
なんつーかもう小原好美さんの演技力の高さですよ。嗚咽もそうなんだけど、キス前の涙混じりの声やばいって。
11話
親があれこれ口出してくるのが煙ったくて反抗的な態度を取ってしまったり、意地になって飯を食わなかったり、その手の心理に痛いほど共感出来ちゃうのが辛い。でも陰ながら応援してくれて最後に味方になってくれるのはやっぱ親なんですよね…。またもや挿入歌のチョイスが反則。
前半のデートパートは相変わらずニヤニヤ成分供給過多。彼女から手編みマフラー送られて喜ばない男の子なんていません! そして茜ちゃん、キスのおねだりが熟れてますね(複雑な心境)
正論をぶつけてくる姉に対して「別れないもん」“愛”を絶対のものだと信じて疑わない愚直さ、これが若さか…
12話
不格好ながらも、自分の足で、自分の声で、例え届かぬと分かっていても、その想いの丈を行動によって証明してみせた小太郎くんに痺れました。ありがとう。
べにっぽ人形はキーアイテムとして最後まで良い仕事してました。本作にはいつも傍らにあの人形の存在があって。彼らの心の裡があの人形に表象されてるんですよね。12話で窓辺にぽつんと置かれた人形との対比で、小太郎くんは人形をにぎにぎしていたり。映像作品ならではの妙だったな、と。
比良くんは別れ際まで「陸上続けろよ」だもんなぁ。もちろん彼なりのエールなのは分かってるんだけど、やっぱ茜ちゃんの上っ面しか見てないよね。ここが小太郎くんとの決定的な差だよ。茜ちゃんが10話で「大切だけど、違う」って言ったのも納得。
2025-10-26 00:11:38