supplod さんの「 魔法遣いに大切なこと 夏のソラ 」の感想 94点 魔法遣いに大切なこと 夏のソラ I don't forget this Summer ※1話ごとの感想 ※未見の方はネタバレ注意。事前情報ゼロで観るべき作品なので。 放映:2008年 監督:小林治 キャラデザ:芳垣祐介 視聴日:2023/1/9-10 ・第一話「美瑛より」 なんだこれ…… シーズン1『Someday’s Dreamers』とは監督も何もかも違うじゃん!!! 背景美術がおそらく写真の加工で、そのリアルな北海道は美瑛の風景のなかにアニメらしい人物が乗っかって浮いているこの感じ、いちばん好きなやつ!!! キャラデザがブラックロックシューターTV版っぽいと思ったがまさに同じ人だった(芳垣祐介さん) てか主演が花澤香菜さんなのも実質B★RSじゃん 美術だけでなく、コンテも完全に実写映画の手法。ほぼ固定カメラで、1話は美瑛の雄大な自然を撮るためか引きの構図がとても多い。 マジで、これまで観てきたテレビアニメのなかでもトップクラスに好きな第1話だった…… ・第二話「東京」 前作「Someday's Dreamers」とは違って学園モノなのか。あのキャップ男子とのラブコメもありそうだし、どれだけ自分好みなんだこのアニメ 会話のテンポや雰囲気も独特だな~ 教室でのダラダラしたやりとりとか。 主人公の魔法の才能が最初からヤバめなのは前作と同じだけど、今のところ世界観設定の面でのガバガバ感は特にないな。画が好みすぎてこっち側の感性がガバガバになってるだけかもしれんけど。 小林治さん『BECK』の人だから下北沢繫がりでもあるのか。 ・第三話「ソラ」 でた~~w 研修中の初の魔法行動でいきなり自分勝手に暴走してやらかす主人公ww これはもう原作がこういう感じってことなんだな、うん。 クソガキが依頼者の老人に踏み込んで「家から出ろ!自分を大切にしろ!」とストレートに説教する。 ただ、これはもうバイアスだと思うけど、まだ前作ほどはキツくないんだよな。なにが違うんだろう。ざーさんの声なのか、小林監督の演出のトーンなのか。1,2話の時点でソラちゃんが相当マイペースな変人であることはわかっていたからかな。のんびり雰囲気アニメだった前作とは異なり、こっちはよりすかしてとぼけたコメディ寄りだからかな。 物語開始時点で魔法を使いこなして早速好き勝手やらかしている主人公のソラと対になるかたちで、自分が魔法遣いの血筋であることを知ったばかりでまだ何も魔法が遣えずに思い悩む細川豪太くんというキャラを配置しているのもうまいと思う。 魔法士研修生登録前に使った魔法は違法ではなく、保護者の監督責任下なのか。じゃあ一時たりとも離れてはだめなのでは? ・第四話「豪太」 おはなしがめっちゃ良かった! やっぱ豪太いいなぁ~~ 魔法を使えないからこそ、「魔法を使わなくても出来る」魔法依頼を母との思い出から成功させる。 散らかった部屋の片付けの口実に呼ばれたり、クラスメイトの秀才が魔法遣いだとわかった途端にハブられたり、そういう描写でこの世界での魔法の位置づけがなんとなく伝わってくる。 豪太の境遇かわいそうすぎる。幸せになってほしい。 落ち込み気味の豪太に付いていって回るお寿司を天真爛漫に楽しむソラもすごく良い。 ・第五話「下北沢」 めっちゃ良いな…… まずソラの老若男女に物怖じせずコミュニケーションがとれる性格がすごく観ていて気持ちいい。3話での金庫壊しもだんだん腑に落ちてくる。 ソラと豪太の距離がだんだん縮んでいるのも良い。お互いの故郷の自慢話の雰囲気、いい。 そして後半の魔法依頼の顛末はかなりシリアスでビビった。植物状態の母親の覚醒には成功したが、「あなた誰ですか…?」と記憶は戻らず、その後どうなったかはいっさい語らずに帰路へと跳ぶ構成。前話と反対に今度はソラが落ち込んで、気分がいい豪太が彼女を心配する。 「魔法は万能ではない」と主人公が突き付けられていったん挫折するのは前作と同様だが、今作ではその挫折がちゃんと機能していると思う。 それからサブタイトル通り、雇ってくれている魔法士の誠さんの下北沢ロックバンド背景の描写。モブの動かし方がいいんだよな。色んなひとがいて、みんなそれぞれに生きているという街、社会のリアリティを感じる。 ソラの腕時計は亡き父の形見か。やけに家族・親子関係についての言及が多い(誠さんに結婚を薦めるバンド仲間も含め)けど、どういう方向に持っていくんだろう。 ・第六話「友達」 めっちゃ良い!!! 脚本がうますぎる!!! ソラと豪太が同じところに寝泊まりしてることをクラスメイトには隠しているのね。甘酸っぺぇ 幼女に「あたし赤ちゃんがほしいの」と言わせる脚本。ここでもやはり親-子の血筋・生殖関係が暗示される。 道化師(アルルカン)の幼女。それを優しく救い導く魔法遣い。 浅葱さんが「なんであんな子供に貴重な半休を与えてやんなくちゃいけないのよ!」みたいなこと言ったのにたいしてソラが「あの子にじゃない。浅葱さんの半休、わたしに与えてくれないかな」的なこと(うろおぼえ)言ったのがすごく良かった。 ・第七話 お似合いカップル ・第八話「魔法遣い」 イルカ救出魔法行動が終わったあとで豪太と黒田くんが海岸で座って離すシーンの画がめっちゃ良い ・第九話「初恋」 神 ハイセンスサブカル陽キャアニメ 江ノ島の浜辺にふたりが座るカットは『着せ恋』の例の回を思い出した。 どこまで自分を刺しにくれば気が済むんだ ・第十話「いのち」 ・・・・・・はい。 う~~ん・・・・・・ ただ、この展開をやるにしてはまだ2話も残っていて早過ぎる気がするので、何か想像を越えてきてくれるんじゃないかと期待してしまう。 前半での植物状態から覚醒させても記憶喪失していた母親の夫と息子の依頼者がここにきて効いてくるとは・・・ ・第十一話「卒業」 ソラが豪太に「結婚して子供いっぱい作っていいから私のこと忘れないで」って言うの、完全に『Someday's Dreamers』の先生の恋人の語り直しじゃん…… こんな意趣返しあるんだ。 てか今さら過ぎるけど、このアニメ、ほぼ劇伴無くね? 基本は環境音で、盛り上げどころではYASUKOさんの弾き語り挿入歌を流す。音響もめっちゃ尖ってるじゃねえかよぉ~~~ 美瑛ではじまり美瑛でおわる。やってくれると信じてたぜ!!! いくぜ最終話!!! ・第十二話「夏のソラ」 これまでずっと写実性("リアリティ")を追求してきた風景美術が最後の最後に魔法によってリアリズムの領域を逸脱して美しい記憶を見せるラストカット、端的に言って完璧。 通底していた親子関係、ヘテロ恋愛、生殖の暗喩。すべては亡き父親の願いにして「依頼」だったのか。娘のもっとも美しい晴れ姿、「花嫁」姿を見せてほしいという父の依頼を「公式に」遂行するために、わずがな余命、人生最後の夏を、母親のいる故郷を離れて東京での魔法士研修に費やしたってことね。 さすがに最終話までYASUKOさん推しが強すぎない?とは引っかかったけど、タワレコ内のディスプレイにED映像が流れる演出が粋すぎて許した。 想定の斜め上に飛んでいった最終回だった。 第一話をもう一度観る。 そういや1話の美瑛パートではケルティックなBGMが流れていたっけな。 最終話ラストカットで初めてではなかった。そうじゃん。1話で初めてソラが使った魔法が、「夏の美瑛に雪を降らせる」という、モロに非現実的な風景を顕現させるものだった。この魔法のリフレインになっていたんだな、豪太の海の記憶は。 「夏の美瑛に雪」と「美瑛に海」、時間(季節)と空間(陸海)でも対になっている。そもそも、風景といいつつ、そのなかでもアニメにおける「背景美術」に当てはまるものと、作画によって描かれるものに分かれている。いちばんカンタンにいえば静物か動くモノか、という違い。だから、雪や波は作画で表される風景という点で、同じく作画で表される人物(”いのち”)に近い。いのちといえば、冒頭、初めてソラが登場するカットはトマトを食べるというもので、トマトという植物・野菜の作画方法なんかを掘り下げるのも、このアニメの読解にはかなり重要だと思う。 結末まで知ったうえで最初から観返すと、当人のソラ以上に、お母さんが相当覚悟決まってたんだな……と愕然とする。 唯一の我が子の余命があと一か月というときに、親元を離れて上京させるか普通!? それほどに本人の意志と、それから亡き夫の遺志を尊重したんだな……と思うと……。 というか、そもそも病気持ちの魔法士であるとわかってお母さんは結婚したのだろうか。そうだとしたら、その時点で生まれる子供も同じ死に方をする可能性が高いとわかっていながら結婚して産んだということになる。いやぁ……お母さんの責任と覚悟もかなりヤバいなこれ。だからこそ最期には娘自身のやりたいことをやらせたのだろう。 軽トラの助手席越しにお母さんとおでこ突き合わせて別れるところでソラが「弟か妹がいればよかったのに」と言うの相当にえぐい。 「わたしには恋なんて……」と出立前夜のソラはひとりごちるが、東京行きの根本的な目的は「父親に自身の花嫁姿を見せる」ことなのだから、たんに公認魔法士になるだけではなく、婚姻のお相手を作る必要があるとは考えていないのだろうか。考えているからこその台詞か。それとも、サイアクお相手ナシで自分が花嫁姿になるだけでもセーフと考えていたのか? 魔法の雪といい、親友のみちるの恋愛成就といい、第一話ですべては出揃っていたんだなぁ。 ソラが亡くなったあとのみちるちゃんの描写そういやなかったな……正直いちばんショックを受けて立ち直れていなそう。事前にまったく知らされていなかっただろうし。遠山クンと結ばれて幸せではあると思うが、そのきっかけをくれた大親友の死だからなぁ……。 とりあえず、原作漫画を早急に読まねばならない。なにせ前作アニメとはお話のトーンがあまりにも違い過ぎているので、本当に原作からしてこうなのか、どこまでがアニメの小林治監督のディレクションなのかを知りたい。 Tweet 2023-01-11 08:47:23
94点 魔法遣いに大切なこと 夏のソラ
I don't forget this Summer
※1話ごとの感想
Tweet※未見の方はネタバレ注意。事前情報ゼロで観るべき作品なので。
放映:2008年
監督:小林治
キャラデザ:芳垣祐介
視聴日:2023/1/9-10
・第一話「美瑛より」
なんだこれ……
シーズン1『Someday’s Dreamers』とは監督も何もかも違うじゃん!!!
背景美術がおそらく写真の加工で、そのリアルな北海道は美瑛の風景のなかにアニメらしい人物が乗っかって浮いているこの感じ、いちばん好きなやつ!!!
キャラデザがブラックロックシューターTV版っぽいと思ったがまさに同じ人だった(芳垣祐介さん)
てか主演が花澤香菜さんなのも実質B★RSじゃん
美術だけでなく、コンテも完全に実写映画の手法。ほぼ固定カメラで、1話は美瑛の雄大な自然を撮るためか引きの構図がとても多い。
マジで、これまで観てきたテレビアニメのなかでもトップクラスに好きな第1話だった……
・第二話「東京」
前作「Someday's Dreamers」とは違って学園モノなのか。あのキャップ男子とのラブコメもありそうだし、どれだけ自分好みなんだこのアニメ
会話のテンポや雰囲気も独特だな~ 教室でのダラダラしたやりとりとか。
主人公の魔法の才能が最初からヤバめなのは前作と同じだけど、今のところ世界観設定の面でのガバガバ感は特にないな。画が好みすぎてこっち側の感性がガバガバになってるだけかもしれんけど。
小林治さん『BECK』の人だから下北沢繫がりでもあるのか。
・第三話「ソラ」
でた~~w 研修中の初の魔法行動でいきなり自分勝手に暴走してやらかす主人公ww これはもう原作がこういう感じってことなんだな、うん。
クソガキが依頼者の老人に踏み込んで「家から出ろ!自分を大切にしろ!」とストレートに説教する。
ただ、これはもうバイアスだと思うけど、まだ前作ほどはキツくないんだよな。なにが違うんだろう。ざーさんの声なのか、小林監督の演出のトーンなのか。1,2話の時点でソラちゃんが相当マイペースな変人であることはわかっていたからかな。のんびり雰囲気アニメだった前作とは異なり、こっちはよりすかしてとぼけたコメディ寄りだからかな。
物語開始時点で魔法を使いこなして早速好き勝手やらかしている主人公のソラと対になるかたちで、自分が魔法遣いの血筋であることを知ったばかりでまだ何も魔法が遣えずに思い悩む細川豪太くんというキャラを配置しているのもうまいと思う。
魔法士研修生登録前に使った魔法は違法ではなく、保護者の監督責任下なのか。じゃあ一時たりとも離れてはだめなのでは?
・第四話「豪太」
おはなしがめっちゃ良かった! やっぱ豪太いいなぁ~~
魔法を使えないからこそ、「魔法を使わなくても出来る」魔法依頼を母との思い出から成功させる。
散らかった部屋の片付けの口実に呼ばれたり、クラスメイトの秀才が魔法遣いだとわかった途端にハブられたり、そういう描写でこの世界での魔法の位置づけがなんとなく伝わってくる。
豪太の境遇かわいそうすぎる。幸せになってほしい。
落ち込み気味の豪太に付いていって回るお寿司を天真爛漫に楽しむソラもすごく良い。
・第五話「下北沢」
めっちゃ良いな……
まずソラの老若男女に物怖じせずコミュニケーションがとれる性格がすごく観ていて気持ちいい。3話での金庫壊しもだんだん腑に落ちてくる。
ソラと豪太の距離がだんだん縮んでいるのも良い。お互いの故郷の自慢話の雰囲気、いい。
そして後半の魔法依頼の顛末はかなりシリアスでビビった。植物状態の母親の覚醒には成功したが、「あなた誰ですか…?」と記憶は戻らず、その後どうなったかはいっさい語らずに帰路へと跳ぶ構成。前話と反対に今度はソラが落ち込んで、気分がいい豪太が彼女を心配する。
「魔法は万能ではない」と主人公が突き付けられていったん挫折するのは前作と同様だが、今作ではその挫折がちゃんと機能していると思う。
それからサブタイトル通り、雇ってくれている魔法士の誠さんの下北沢ロックバンド背景の描写。モブの動かし方がいいんだよな。色んなひとがいて、みんなそれぞれに生きているという街、社会のリアリティを感じる。
ソラの腕時計は亡き父の形見か。やけに家族・親子関係についての言及が多い(誠さんに結婚を薦めるバンド仲間も含め)けど、どういう方向に持っていくんだろう。
・第六話「友達」
めっちゃ良い!!! 脚本がうますぎる!!!
ソラと豪太が同じところに寝泊まりしてることをクラスメイトには隠しているのね。甘酸っぺぇ
幼女に「あたし赤ちゃんがほしいの」と言わせる脚本。ここでもやはり親-子の血筋・生殖関係が暗示される。
道化師(アルルカン)の幼女。それを優しく救い導く魔法遣い。
浅葱さんが「なんであんな子供に貴重な半休を与えてやんなくちゃいけないのよ!」みたいなこと言ったのにたいしてソラが「あの子にじゃない。浅葱さんの半休、わたしに与えてくれないかな」的なこと(うろおぼえ)言ったのがすごく良かった。
・第七話
お似合いカップル
・第八話「魔法遣い」
イルカ救出魔法行動が終わったあとで豪太と黒田くんが海岸で座って離すシーンの画がめっちゃ良い
・第九話「初恋」
神
ハイセンスサブカル陽キャアニメ
江ノ島の浜辺にふたりが座るカットは『着せ恋』の例の回を思い出した。
どこまで自分を刺しにくれば気が済むんだ
・第十話「いのち」
・・・・・・はい。
う~~ん・・・・・・ ただ、この展開をやるにしてはまだ2話も残っていて早過ぎる気がするので、何か想像を越えてきてくれるんじゃないかと期待してしまう。
前半での植物状態から覚醒させても記憶喪失していた母親の夫と息子の依頼者がここにきて効いてくるとは・・・
・第十一話「卒業」
ソラが豪太に「結婚して子供いっぱい作っていいから私のこと忘れないで」って言うの、完全に『Someday's Dreamers』の先生の恋人の語り直しじゃん…… こんな意趣返しあるんだ。
てか今さら過ぎるけど、このアニメ、ほぼ劇伴無くね? 基本は環境音で、盛り上げどころではYASUKOさんの弾き語り挿入歌を流す。音響もめっちゃ尖ってるじゃねえかよぉ~~~
美瑛ではじまり美瑛でおわる。やってくれると信じてたぜ!!! いくぜ最終話!!!
・第十二話「夏のソラ」
これまでずっと写実性("リアリティ")を追求してきた風景美術が最後の最後に魔法によってリアリズムの領域を逸脱して美しい記憶を見せるラストカット、端的に言って完璧。
通底していた親子関係、ヘテロ恋愛、生殖の暗喩。すべては亡き父親の願いにして「依頼」だったのか。娘のもっとも美しい晴れ姿、「花嫁」姿を見せてほしいという父の依頼を「公式に」遂行するために、わずがな余命、人生最後の夏を、母親のいる故郷を離れて東京での魔法士研修に費やしたってことね。
さすがに最終話までYASUKOさん推しが強すぎない?とは引っかかったけど、タワレコ内のディスプレイにED映像が流れる演出が粋すぎて許した。
想定の斜め上に飛んでいった最終回だった。
第一話をもう一度観る。
そういや1話の美瑛パートではケルティックなBGMが流れていたっけな。
最終話ラストカットで初めてではなかった。そうじゃん。1話で初めてソラが使った魔法が、「夏の美瑛に雪を降らせる」という、モロに非現実的な風景を顕現させるものだった。この魔法のリフレインになっていたんだな、豪太の海の記憶は。
「夏の美瑛に雪」と「美瑛に海」、時間(季節)と空間(陸海)でも対になっている。そもそも、風景といいつつ、そのなかでもアニメにおける「背景美術」に当てはまるものと、作画によって描かれるものに分かれている。いちばんカンタンにいえば静物か動くモノか、という違い。だから、雪や波は作画で表される風景という点で、同じく作画で表される人物(”いのち”)に近い。いのちといえば、冒頭、初めてソラが登場するカットはトマトを食べるというもので、トマトという植物・野菜の作画方法なんかを掘り下げるのも、このアニメの読解にはかなり重要だと思う。
結末まで知ったうえで最初から観返すと、当人のソラ以上に、お母さんが相当覚悟決まってたんだな……と愕然とする。
唯一の我が子の余命があと一か月というときに、親元を離れて上京させるか普通!? それほどに本人の意志と、それから亡き夫の遺志を尊重したんだな……と思うと……。
というか、そもそも病気持ちの魔法士であるとわかってお母さんは結婚したのだろうか。そうだとしたら、その時点で生まれる子供も同じ死に方をする可能性が高いとわかっていながら結婚して産んだということになる。いやぁ……お母さんの責任と覚悟もかなりヤバいなこれ。だからこそ最期には娘自身のやりたいことをやらせたのだろう。
軽トラの助手席越しにお母さんとおでこ突き合わせて別れるところでソラが「弟か妹がいればよかったのに」と言うの相当にえぐい。
「わたしには恋なんて……」と出立前夜のソラはひとりごちるが、東京行きの根本的な目的は「父親に自身の花嫁姿を見せる」ことなのだから、たんに公認魔法士になるだけではなく、婚姻のお相手を作る必要があるとは考えていないのだろうか。考えているからこその台詞か。それとも、サイアクお相手ナシで自分が花嫁姿になるだけでもセーフと考えていたのか?
魔法の雪といい、親友のみちるの恋愛成就といい、第一話ですべては出揃っていたんだなぁ。
ソラが亡くなったあとのみちるちゃんの描写そういやなかったな……正直いちばんショックを受けて立ち直れていなそう。事前にまったく知らされていなかっただろうし。遠山クンと結ばれて幸せではあると思うが、そのきっかけをくれた大親友の死だからなぁ……。
とりあえず、原作漫画を早急に読まねばならない。なにせ前作アニメとはお話のトーンがあまりにも違い過ぎているので、本当に原作からしてこうなのか、どこまでがアニメの小林治監督のディレクションなのかを知りたい。
2023-01-11 08:47:23