supplod さんの「 BLEACH 千年血戦篇 」の感想 90点 BLEACH 千年血戦篇 正直「アニメ」としてそこまで好みではないのだけれど、想定よりも遥かに質の高い映像作品だったことは確かだし、何より、連載終了してから6年が経って、こうして『BLEACH』というコンテンツが数年前からは考えられないほどに息を吹き返して新展開・新情報もりだくさんで活況を呈していることがとにかく嬉しい。ジャンプ本誌や久保帯人ファンクラブ、SNSといったアニメ外のメディア展開・プロモーションを引っくるめた企画に毎週お祭り騒ぎのように楽しませてもらった。 漫画『BLEACH』の外連味をさらにコテコテに押し出しながら、RTAやってんのかというくらいの超速テンポで映像化していた。 アニメとして自分好みかと言われればそうではないし、面倒くさい原作オタクとしては色々と言いたいこともあるんだけど、それ以上に、久保帯人総監修による「連載完結から5,6年が経った今だからこそ描けるBLEACH」として、初代護廷十三隊のキャラデザ初解禁などに象徴される、往年のファンサービス盛りだくさんのアニメ以外のメディアをひっくるめたプロモーション・展開がものすごく上手く、毎週お祭り騒ぎのように楽しませてもらったことに感謝したい。楽しかった。 なんやかんやで、第一話の「Rapport」(原画展の主題歌)特殊EDが流れ始めた瞬間がいちばんテンション上がった。あそこで、あぁ、これは本当にコアなファンに向けて作られているアニメなんだ、と思えて嬉しくなった。 連載終盤から連載終了後しばらくの、「千年血戦篇のアニメ化」なんて夢のまた夢だった時期の自分たちに、未来は意外とわからないよと言ってあげたい。 また、最終話が12話,13話の計1時間連続放映ということもあり、1クールアニメとしての構成、纏まり具合も素晴らしかった。 特に、見えざる帝国による二度の侵攻を描いた7話くらいまでは画面が基本的にずっと暗かったのが、零番隊が「上」から落ちてきた瞬間に(物理的に)雲を押し退けることでパッと晴れ上がり、初めて画面が明るくなる演出には、1クールという尺を贅沢に使ったマクロな画面のトーン調整だなぁと感動した。(単に絵面だけでなく、そこから一気に修行パートでコメディ調に明るくなる) ※正確には山爺の残火の太刀解放シーンでも一瞬にして晴れ上がる(空気が乾き切る)演出があり、いずれにせよ、空間をどう作り替えて魅せていくのか、という点が作品内の強者の振る舞いとして通底しているのは、まさに『BLEACH』という作品の本質的な特徴をうまく受け継いで表現していると思う。 原作ではここからが本当に色々と(エンタメとして)問題含みで瑕疵が多過ぎる内容なので、それをこのアニメ制作陣および2022年の久保帯人がどう料理してくれるのか、という観点で、引き続き大いに楽しみに7月を待ちたい。 Tweet 2022-12-28 15:26:08
90点 BLEACH 千年血戦篇
正直「アニメ」としてそこまで好みではないのだけれど、想定よりも遥かに質の高い映像作品だったことは確かだし、何より、連載終了してから6年が経って、こうして『BLEACH』というコンテンツが数年前からは考えられないほどに息を吹き返して新展開・新情報もりだくさんで活況を呈していることがとにかく嬉しい。ジャンプ本誌や久保帯人ファンクラブ、SNSといったアニメ外のメディア展開・プロモーションを引っくるめた企画に毎週お祭り騒ぎのように楽しませてもらった。
漫画『BLEACH』の外連味をさらにコテコテに押し出しながら、RTAやってんのかというくらいの超速テンポで映像化していた。
Tweetアニメとして自分好みかと言われればそうではないし、面倒くさい原作オタクとしては色々と言いたいこともあるんだけど、それ以上に、久保帯人総監修による「連載完結から5,6年が経った今だからこそ描けるBLEACH」として、初代護廷十三隊のキャラデザ初解禁などに象徴される、往年のファンサービス盛りだくさんのアニメ以外のメディアをひっくるめたプロモーション・展開がものすごく上手く、毎週お祭り騒ぎのように楽しませてもらったことに感謝したい。楽しかった。
なんやかんやで、第一話の「Rapport」(原画展の主題歌)特殊EDが流れ始めた瞬間がいちばんテンション上がった。あそこで、あぁ、これは本当にコアなファンに向けて作られているアニメなんだ、と思えて嬉しくなった。
連載終盤から連載終了後しばらくの、「千年血戦篇のアニメ化」なんて夢のまた夢だった時期の自分たちに、未来は意外とわからないよと言ってあげたい。
また、最終話が12話,13話の計1時間連続放映ということもあり、1クールアニメとしての構成、纏まり具合も素晴らしかった。
特に、見えざる帝国による二度の侵攻を描いた7話くらいまでは画面が基本的にずっと暗かったのが、零番隊が「上」から落ちてきた瞬間に(物理的に)雲を押し退けることでパッと晴れ上がり、初めて画面が明るくなる演出には、1クールという尺を贅沢に使ったマクロな画面のトーン調整だなぁと感動した。(単に絵面だけでなく、そこから一気に修行パートでコメディ調に明るくなる)
※正確には山爺の残火の太刀解放シーンでも一瞬にして晴れ上がる(空気が乾き切る)演出があり、いずれにせよ、空間をどう作り替えて魅せていくのか、という点が作品内の強者の振る舞いとして通底しているのは、まさに『BLEACH』という作品の本質的な特徴をうまく受け継いで表現していると思う。
原作ではここからが本当に色々と(エンタメとして)問題含みで瑕疵が多過ぎる内容なので、それをこのアニメ制作陣および2022年の久保帯人がどう料理してくれるのか、という観点で、引き続き大いに楽しみに7月を待ちたい。
2022-12-28 15:26:08